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香りのピックアップ

2023年~芸術作品をイメージした香り~
芸術鑑賞の時、いつもこの作品にはこんな香りが似合いそう…
なんて想像するのが私にとって至福のひととき。
そこで、今年は今まで観てきたお気に入りの作品に香りを関連づけてご紹介。

#181『SPLENDIDA MAGNOLIA SENSUEL』 by BVLGARI(2023年12月)

芸術作品をイメージした香り vol.10
『サント・シャペル教会』

今年最後はパリ最古の素晴らしいステンドグラスをご紹介します。
パリのシテ島にあるサント・シャペル教会の中に一歩足を踏み入れると、光の芸術〈聖なる宝石箱〉と称される美しく豪華なステンドグラスに息をのむほど圧倒されます。
ぐるりと巡らされ高さもあるので見上げながら360度眺めているとあまりの素晴らしさにしばし言葉を失ってしまうほどです。
この教会は、1239年から収集し始めた聖遺物を納めるためにルイ9世が建築を命じた教会です。

☆スプレンデタ マグノリア センシュアル
オードパルファン☆(ブルガリ)

〈スプレンデタ〉コレクションは大輪の花をテーマにしたブルガリの香水です。
3種類あるコレクションの一つのこの「マグノリア センシュアル」は希少なマグノリアからインスパイアされた香りです。
トップのネロリやマンダリンのグリーンがかったフレッシュな香りから柔らかで芳醇なマグノリアへと移り、ラストは深みのあるパチョリの神秘的でセンシュアルな香りへと変化します。
ボトルの濃い赤がまるでサント・シャペルのステンドグラスのようでイメージにぴったりだったので取り上げました。年末のイベントやクリスマスなどドレスアップした時に纏いたい香りですね。

#180『ARTEMISIA』 by Penhaligon's(2023年11月)

芸術作品をイメージした香り vol.9
『サン・ミゲル礼拝堂』

今回は絵画ではなく教会の内装に着目してみました。
〈サン・ミゲル礼拝堂〉は、1290年にポルトガルのコインブラ大学内に設立された礼拝堂です。建築様式はマヌエル様式、またはポルトガル後期のゴシック様式。
精巧なアズレージョ(ポルトガル独特の歴史を描いたタイル画)の壁タイル。マンエリスムの祭壇、華やかなバロック様式のパイプオルガンがあります。
特に天井のカラフルな模様が、とても700年以上前のものとは思えないほど素敵で目が釘付けになりました。

☆アルテミジア☆(ペンハリガン)

フローラルノート
1872年にイギリスの老舗香水ブランドとして、上流階級の英国紳士を魅了したペンハリガン。
この〈アルテミジア〉はギリシャ神話に登場する狩猟の女神「アルテミス」をイメージした香り。
ネクタリンのフルーティーさにパウダリーなスミレとスズランが織り成すフローラルノート。さらにバニラやアンバーのシルクのようななめらかな香りが溶け合い深まる秋にしっとりと香ります。
サンミゲル礼拝堂のゴシック調な雰囲気にこの香りのイメージがぴったり合うと思い選びました。

#179『MEMOIRE D'UNE ODEUR』 by GUCCI(2023年10月)

芸術作品をイメージした香り vol.8
『ヴィル=タヴレー』
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー作

19世紀のバルビゾン派代表のフランス画家。田舎の自然の風景を明るい光と色彩で表現しリアルさを追及した画法が高い評価を得ています。
〈ヴィル=タヴレー〉はフランスの村で、そこにコローの別荘がありました。アトリエを構えそこで様々な風景画を描きました。優しい柔らかな光射す木々のなかにスッと入り込んでしまいそうなこの絵は私の心に癒しと安らぎをもたらしてくれます。

☆メモワール・デュヌ・オードパルファン☆ (グッチ)

ミネラルアロマティックという新しい香り。
ローマンカモミールの控えめで優しい香りの後に、シダーウッドやサンダルウッドの柔らかで深みのある香りとバニラの甘さが加わり、ラストノートをゆっくり長い時間楽しめます。
まるでコローの絵のような、木々と緑溢れる自然豊かな風景が目に浮かぶ、そんな品の良い大人の香りです。

#178『BURBERRY Her Blossom 』 by BURBERRY(2023年8月)

芸術作品をイメージした香り vol.7
『花の静物』
ヤン・ダーフィッツゾーン・デ・ヘーム作

17世紀の果物や花の静物画で有名なオランダの画家。
当時オランダでは、生花の代わりに部屋の装飾品として花の絵画を飾るのが流行していました。その絵は季節の違う花ばなを一緒に描き画家の想像のもと、より華やかに美しく描かれているのが特徴です。
この絵も精密で精巧、色彩の鮮やかさと美しさはひときわ目を引きますね。

☆バーバリー・ハー・ブロッサム
オードトワレ☆ (バーバリー)

ロンドンの庭園で咲き誇る花ばなをとらえたはなやかで軽やかなフレグランス。
プラムブロッサムやピオニーのエアリーで明るく初々しい香り。
そよ風にふっと香るフローラルブーケの香りがイングリッシュガーデンを彷彿させます。

#177『ROSE GOLD EAU DE PARFUM』 by TIFFANY(2023年6月)

芸術作品をイメージした香り vol.6
『ロサ・ヘミスフェリカ』
ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ作

「花のラファエロ」と称えられた植物画家。ベルギーの代々画家の家系に生まれたルドゥーテはマリー・アントワネットやナポレオン1世の妻ジョセフィーヌの宮廷画家として活躍します。
ルドゥーテの植物画は「花の肖像画」と評されて緻密で繊細、そして完璧に描かれた花ばなは見るものの目を釘付けにしてしまいます。
今回は〈ロサ・ヘミスフェリカ〉の原案を基に私の趣味である刺繍で作成しました。

☆ローズ・ゴールド オードゥパルファム☆
(ティファニー)

フローラルノート
日本のバラとハイブリッド種のブルーローズの活気溢れる魅惑的な香り。
さっぱりしたライチの甘さとローズの優しくしなやかな香り。やがて温かみを感じるパウダリーなアイリスとムスクがゆっくりとそしてたおやかに心地よく香ります。
ティファニーらしい品の良い香りは宮廷画家ルドゥーテの作品イメージによく合うと思います。

#176『HERBAE』 by L'OCCITANE(2023年5月)

芸術作品をイメージした香り vol.5
『西教会のある運河』
小田切 訓 作

北海道生まれの日本人の風景画家。
「運河の水面を眺めていても飽きることがないし、これ程絵になる街はないと思う」と本人曰くように、まさにアムステルダムはどこもかしこも絵になる風景が多い街です。彼の作品はアムステルダム運河を描いたものが多いことで有名です。

5年前の7月にここへ行った時、鮮やかな緑溢れる運河の向こうに西教会を見ました。本当にこの絵の通りとてもとても素敵なロケーションで感動したのを今でもはっきり覚えています。
日本人画家らしい繊細で優しい筆のタッチの作品はスッと心に入り込んできますね。

☆エルバガーデン☆(ロクシタン)

期間限定商品 フローラルブーケノート
庭に咲き誇る花ばなをイメージした香り。つけた瞬間パッと明るい光が射したようなフレッシュさが広がります。
スパニッシュブルームという柑橘系の花に似た甘い香りにグレープフルーツの軽やかなトップノート。ジャスミンやイランイランのフローラルな香りがすぐに追いかけてきて、あっという間に新緑のなかに色とりどりの花が咲いている空間に入り込んだ気分になります。
まさに〈小田切グリーン〉と言われる光を感じさせる緑を彷彿させる香りだと思います。初夏の明るい日射しのなか纏えば身も心も軽やかになりますね。

#175『ECLAT D'ARPEGE Sheer』 by LANVIN(2023年4月)

芸術作品をイメージした香り vol.4
『手にとるように』
ビヨンテ・パルマローリ・ゴンザレス作

スペインの肖像画や風俗画の画家の作品。
スペインのプラド美術館にてこの絵を見た瞬間、柔らかな色彩に目を奪われました。
上品な女性が一人静かな海辺にたたずみ海の彼方に何かを見ています。薄日が射す中さざ波の音が遠くで聞こえてきそうなこの絵はとても心落ち着く私のお気に入りの一枚です。

☆エクラドゥアルページュ・シアー☆
(ランバン)

グリーンフルーティーフローラル
20年前に発売されたロングヒットの〈エクラドゥアルページュ〉のニューバージョンです。
こちらの〈シアー〉は慌ただしい日々からの一休み。平穏に包まれるひとときを表現した香りです。
オリジナルよりグリーンノートが強くさっぱり感があるのにエレガント。ピオニーやウォータージャスミンの透明感のある香りは気温が上がるこの季節にピッタリ。
この絵のような品のよい大人の女性が纏っているのを想像するだけでうっとりします。

#174『j'adore Parfum d'eau』 by Dior(2023年3月)

芸術作品をイメージした香り vol.3
『都会のダンス』
オーギュスト・ルノワール作

誰もが知っているルノワール。印象派の画家として有名ですが、1800年代に入り印象派から少し距離をおきはじめ人物画家として書き方を変えつつありました。
そんな時期に2枚の連作で〈都会のダンス〉と〈田舎のダンス〉を発表。この〈都会のダンス〉は寒色系でまとめられ、パリの上流階級での気高く踊る洗練された雰囲気がよく描かれています。
ちなみに、〈田舎のダンス〉は暖色系でまるで違う雰囲気です。

☆ジャドール・パルファム・ドゥ☆
(クリスチャン・ディオール)

従来の「ジャドール」のアルコールフリーバージョンの香水です。
白い花々と水が奏でるフレッシュなフローラルブーケ。ネロリ、サンバックジャスミンなどのみずみずしい香りが軽やか。
アルコールフリーなので、あまり広がらないけれど品よく香ります。
「ジャドール・パルファム・ドゥ」のこの真っ白なボトルのフォルムがまるでこの絵の女性のドレスのようで結びつけてみました。
こんな香りを纏ってダンスを踊っているのを想像すると、より一層魅力的な絵に見えてきます。

#173『BLOOM ACQUA DI FIORI』 by GUCCI(2023年2月)

芸術作品をイメージした香り vol.2
『薔薇』
フィンセント・ファン・ゴッホ作

27才で画家になり37才で自殺してしまうという壮絶な人生を送ったゴッホ。オランダ生まれの彼はパリで絵を書き始めやがて明るい日差しのあるアルルへと渡り歩きました。

愛に恵まれることなく孤独な辛い感情を絵に打ち込み数々の傑作を描き上げました。〈ひまわり〉や〈星月夜〉のような激しいタッチの作品が多い中、この「薔薇」はまるで心の安らぎを表しているかのような優しさが伝わってきます。
この作品は、ゴーギャンとのいさかいの果て精神的に参ってしまいサンレミ療養所に入っていた時代に描いたものです。 なので、希望回復の喜びがあふれているのです。

☆ブルーム・アクア・フィオーリ(グッチ)☆

フローラルグリーン 緑豊かなガーデンを彷彿させるパッケージデザイン。
これを一目見てゴッホの「薔薇」が私の中で一瞬にして閃いたので取り上げました。
女性たちの友情を表現したという香りは、ジャスミンの透明感のある爽やかなフレッシュなグリーンノート。しつこさがないので、TPOを問わずいつでも使える香りです。

#172『Napoleon Ier』(2023年1月)

芸術作品をイメージした香り vol.1
『サン=ベルナール峠を越えるボナパルト』
ジャック・ルイ・ダヴィッド作

1801年~1805年に描かれたナポレオン1世の肖像画。
ナポレオンの首席画家に任命され数々の大作を遺しました。
彼はナポレオン失脚後ベルギーに亡命し1825年没。 これは、ウイーンのベルデベーデ宮殿で観た作品です。

☆NAPOLEON Ier☆

ナポレオン1世が愛用していたコロンを忠実に再現したもので、ヴェルサイユ宮殿にて購入しました。 シトラスノートで、爽やかで繊細な香りです。
ナポレオンは出身地コルシカ島でとれるレモンやベルガモットなどの柑橘類の香りを特に好み、戦場にもこの香りを使ったオーデコロンを持参したと言われています。
この香りからは力強さなどは感じられないので、戦場で心を落ち着け冷静な判断ができるように使ったでは…と想像します。